2017年07月05日

「蜜蜂と遠雷」恩田陸

「蜜蜂と遠雷」恩田陸2段組500ページの分厚い本なので、読み始めるのに勇気がいりますが、一気に読め読後感が爽やかです。私の場合、仕事場での空き時間に読んだので少し時間がかかりましたけど。恩田陸の最高傑作というのも大げさではないです。私の中では読者をその世界に引きずり込む文章力が一番の作家です。特にクラシックでは、音だけなのに映像的な感覚で楽しめる作品が多いような気がしますが、それを表現する力がすごいです。あと、音楽を聴いたときのわくわく感の表現も秀逸ですね。
ピアノコンクールを舞台にした青春群像小説なので、主人公はコンテストに出場しているマサルや亜夜なのですが、主役はむしろ音楽そのものだともいえます。私は、バッハとか古い作曲家が好きなので、この本の作品は知らない曲が多いのですが、それでも十分楽しめます。気になる作品はYoutubeで確認したりしてますけど。家で読むなら、CDを買って聴きながら読むということもできますね。
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2017年04月09日

「騎士団長殺し」村上春樹

「騎士団長殺し」村上春樹2部千ページに及ぶ長編で、仕事場での空き時間に読んだので時間がかかってしまいました。出版されるまで、内容が徹底的に秘密にされていたのが印象的です。ということで、まだ読んでない人が多いと思うので中身については詳しくは書けません。
まあ、村上春樹の集大成的な本で、いろいろな要素がてんこ盛りですが、奇想天外さは少し押さえ気味ですかね。イデアの具現化とかは今までになかったですよね。
どちらも私があまり得意じゃない分野ですが、車種とか着ている衣服とかが具体的に描写してあるのも珍しいかも知れません。スバルフォレスターとかいわれても、具体的に形は思い浮かばないのですけど。音楽も大事な要素ですが、クラシックの曲がたくさん登場します。
エッセイ翻訳は未読のものもありますが、小説は全部読んでいる村上ファンとして、お薦めの1册です。あっ2冊でした。
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2016年02月10日

「走ることについて語るときに僕の語ること」村上春樹

「走ることについて語るときに僕の語ること」村上春樹私は走ることは全くしないのですが、この本は興味深く読めました。自ら走るようになり、自ら小説を書くようになった経緯からその後について書いた自分史のような感じですかね。走る苦労、小説を書く苦労が並行して語られています。読者の質問に答える形で自分のことについて書いてある文章はけっこう見られるのですが、全編自分のことについて踏み込んだ形で書いてあるのは他ではあまりないですね。
けっこうすらすらと小説を書いているようにはたからは見えるのですが、そうではなく、努力と訓練の賜物であるのがよく分かりました。まあ、走ることも同様ですけどね。
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2015年10月25日

「バースデイ・ストーリーズ」村上春樹 編訳

「バースデイ・ストーリーズ」村上春樹 編訳作家だけでなく翻訳家としても活躍する村上春樹が選んだ、誕生日をめぐる11の物語です。短編の翻訳と本人の作品がひとつ含まれます。誕生日を扱った短編小説は意外と少なくて集めるのに苦労したようです。
「ムーア人」ラッセル・バンクス、「ダンダン」デニス・ジョンソン、「ティモシーの誕生日」ウィリアム・トレヴァー、「バースデイ・ケーキ」ダニエル・ライオンズ、「皮膚のない皇帝」リンダ・セクソン、「ダイス・ゲーム」ポール・セロー、「永遠に頭上に」デイヴィッド・フォスター・ウォレス、「慈悲の天使、怒りの天使」イーサン・ケイニン、「バースデイ・プレゼント」アンドレア・リー、「風呂」レイモンド・カーヴァー、「バースデイ・ガール」村上春樹、の11編です。
アメリカの小説家については詳しくなくて、はっきり言ってレイモンド・カーヴァーぐらいしか知らないのですが、けっこう個性的な作品が多いですね。まあ、平凡じゃない奇想天外な誕生日ばかりなので、余計にそう感じるのかも知れません。幸せな誕生日はひとつもありませんね。
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2015年08月28日

「トロムソコラージュ」谷川俊太郎

「トロムソコラージュ」谷川俊太郎谷川俊太郎の比較的最近の詩集です。表題作のトロムソコラージュのトロムソはノルウェー北部の都市で、そこに滞在中にパソコンで書いたもので、断片的な心象や観察のモザイクで、写真もその要素です。この写真がなかなかいいです。私は立ち止まらないよ、でスタートするこの詩のスピード感がいいですね。
他に、問う男、絵七日、臨死船、詩人の墓、「詩人の墓」へのエピタフ、この織物、で全部で7編です。ひとつを除いて長編詩です。物語性の要素があるということですね。まあ、句読点がなくて、余白の多い短編小説にも近くて、部分的に見ると詩なんです。新しいスタイルに挑戦するのはすごい意欲を感じますね。
臨死船の不思議な感覚が好きです。
詩人の墓だけが少し前に書いた作品のようです。短めですが物語性が出た詩ですね。
なぜか繰り返し読みたくなる詩集です。
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