前回、カッティングマシンで直接録音する話をしましたが、テープレコーダーが登場する前は当たり前だったようですね。
1936年(昭和11年)ベルリンオリンピックでテレフンケン社製の円盤録音機が使われました。1940年(昭和15年)予定の東京オリンピックを国産機材でということで、電音で開発をスタートしました。1939年(昭和14年)NHK仕様一号機ができました。オリンピックは中止になりましたけど。
1951年(昭和26年)ごろから放送用にテープレコーダーが使われ始め、円盤録音機は1953年(昭和28年)が最後の生産となります。この円盤録音機が主力として使われたのはほぼ10年間だけですね。
昭和20年8月15日、戦争の終結を告げた玉音放送は、この円盤録音機によって録音されて放送されました。1枚3分しか録音できない為に、5分の玉音放送は2枚に分けて録音されました。前日に宮内庁内で二回録音され二回目が採用されました。その盤は極秘裏に内幸町の放送会館まで運ばれました。終戦したくない軍部を避ける為に二手に分かれて運んだそうです。
14日正午の御前会議から、ポツダム宣言受諾をめぐる陸軍省、総理官邸の動きや玉音盤の奪還などを描いた「日本のいちばん長い日」にもこの円盤録音機が出てきますね。原作大宅壮一、脚本橋本忍、監督岡本喜八、主演三船敏郎、の1967年制作の東宝映画です。
この円盤録音機と同タイプの物が愛宕のNHK放送博物館に展示されています。
玉音放送
http://www.youtube.com/watch?v=LSD9sOMkfOoPR:
日本のいちばん長い日 [DVD]<この記事は贅床ブログからの転載です>